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【過去】掲載SNS 2021年9月21日

[2022.03.09]

本日は前日の食事制限についてお話します。

人間ドック前夜より食事制限を指示される事があります。それはいったいなぜ必要なのでしょうか?

 

◎人間ドック前日の食事制限のおもな理由は、消化器の検査のため

※消化器とは口から肛門までの1本の筒(口腔→食道→胃→十二指腸→空腸→回腸→盲腸→虫垂→上行結腸→横行結腸→下行結腸→S状結腸→直腸)である。

 

人間ドックを受ける際、多くの場合に前夜からの食事制限が指示されます。一般的には、21~22時以降は絶食を指示されることが多いと思います。

なぜ、食事制限が必要なのか? 食事制限をしないとどうなるのか?

その理由は、胃に食事の内容物が残らないようにするためです。健診や検診で行われる胃透視や内視鏡検査は、上部消化管の粘膜の状態をみる検査です。食事の残りカスがあると検査の妨げになってしまいます。また、夜遅すぎる食事は、糖分や脂質が代謝しきれずに、翌日の血液検査や尿検査にも影響することがありますので、人間ドック前日の夜は、食事制限が必要になってくるのです。

 

※飲食の制限が必要になる、おもな検査と理由

  • 腹部CT検査

腹部CT検査とは、X線を使ってお腹の断層写真を撮影する検査です。お腹の臓器(肝臓、胆嚢、膵臓、腎臓、脾臓)を詳しく観察します。食事を取ると消化のために胆汁が分泌されて、一時的に胆嚢が縮まるため、胆嚢の異常を確認しづらくなることがあります。また、食べ物が残っていると腸管や膵臓の観察、評価が難しくなることがあります。

  • 腹部エコー検査

超音波を使ってお腹の内部を確認する検査です。腹部CT検査同様に胆嚢を確認しづらくなります。また食事を取ると、腸からのガスの発生が活発になり、超音波が通りにくくなり、十分な検査が難しくなることがあります。

③胃透視検査

バリウムを飲んで、胃をレントゲン撮影する検査です。胃内に食べ物が残っていると、病変にように写ってしまうことがあり、正確な診断の妨げとなります。

④胃内視鏡検査

口や鼻から内視鏡と呼ばれるカメラを挿入して、胃の粘膜を直接観察する検査です。胃のなかに食べ物が残っていると、その部分の粘膜を観察することができないことがあります。

 

・血液検査と尿検査

直前の食事は血糖値や血液中の脂質を調べる検査に影響することがあります。また、尿検査でも同様に、カフェインや糖分を多く含んだ飲み物やビタミンCなどを多く含んだサプリメントも検査値に影響することがあります。

 

正しい理解をお伝えし、正確な検査結果をお届けすることが当院の役割だと考えております。

ご意見やご質問があればお気軽にお問い合わせください。

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